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イラスト詩歌「ユメカサゴ」吉原幸子
「ユメカサゴ」 吉原幸子

イラスト詩歌「ユメカサゴ」吉原幸子_f0228652_21124021.jpg


ユメにみられる魚なのか

ユメをみる魚なのか


大きな水槽には

色とりどりの熱帯魚がひらめいて

ユメのようにうつくしかった

けれど その中に

ユメという名のついた魚は

ぜんぜんいない


そいつは小さな水槽の底に沈んで

からだと同じいろの岩にあごをのせたきり

動かないでいた


口をへの字にむすんで

黒いまるい眼で遠くをみて

まばたきもせずに

(これは当り前だが)


そいつは

ユメのようにうつくしくはなかったから


きっと

ユメをみていたのだ




詩集『魚たち・犬たち・少女たち』より



吉原幸子さんの作品は著作権保護下にありますが、全文をこちらにご紹介させていただきました。








# by loopmark1210 | 2020-11-29 21:11 | イラスト詩歌 | Trackback | Comments(0)
夢に祖父が出てきた。
とても不思議な形で夢に祖父が出てきた。
もうすでに記憶が曖昧なのだが、とにかく予想外の登場の仕方で
あれ、おじいちゃんじゃん!なにしてるの!
という感じだった。

ずっと会いたかったんだよ〜
と伝えることができた気がする、たぶん。


祖父は狭いアパートに住んでいたときでさえ、
昭和の文豪っぽく浴衣を着て、ゆったり籐椅子に腰掛けていた。
そして、時折養命酒を飲むのだった。

大正最後の年に生まれた祖父は品というのを崩さなかった人で、自ら作った威厳の中で静かに微笑んでいるという印象だった。
そしてそれは、当時のわたしの周りの「おじいちゃん」と呼ばれる人たちとは全く違っていて、
それゆえにわたしは祖父が好きだった。


祖母は、そんなに祖父についてなかなか大変な思いをしたらしい

娘である母も、同様に大変だったらしい


わたしはちょうどよく離れた血縁と時間のために、祖父をシンボルのように、好きという気持ちだけで思い続けることができる

これだけは得だ。
ファンだけの気持ちでいられるというのは。


ああ、にしても何も思い出せない
ほんとに思いがけなかったんだ。
目が覚めて、布団の水平線を見つめたまま
「夢におじいちゃん出てきた…」
と笑って呟いてしまったほどで

それから数秒後に気づいた。


今日は祖父の誕生日だったのだ。



夢に祖父が出てきた。_f0228652_18514165.jpg
おめでとう、おじいちゃん。
今日仕上げた猫、そういえばおじいちゃんに似ている。







# by loopmark1210 | 2020-11-27 18:45 | 日常記 | Trackback | Comments(0)
使命感のことなんか
使命感を持って生きることが
この生を幸福にする手段であるとは思っているのだが、
まるでその使命感を持つことが、
別の何かを諦めて、や
別の何かをできない代わりに、
という風になってしまうかもしれないこと

多くの人がそういう気持ちでいるのかもしれないこと

が、ちょっとだけ虚しくなる。
なるべく感じないようにして、
というのも、そうしたことは自分の想像力を足してあっという間に増幅してしまうから
なるべくミニのままに留めておいて
ひと呼吸

貪欲ではありたいね
しかし、日々時間とともに確実に失われていく体力や精力(こころの力の意)を
どこに向けるか
というのは同時に考えていかないといけないのだなぁと

早々と夜になってしまって無数の車のライトが通り過ぎるバイパスに車を走らせながら
思った


使命感のことなんか_f0228652_19013316.jpg
ミケランジェロの模写、美しいね
なんかもうこんな太古の人がこんな美しいもの作ってたらもう
何をなすべきかなんて愚問のように思えてくる、ひたすら




# by loopmark1210 | 2020-11-25 18:52 | 日常記 | Trackback | Comments(0)
オーダーイラストのご感想
オーダーイラストのご感想いただいたので、掲載いたします(感激!)。

レコードがたくさんの壁に飾っていただきました。
グランジがお好きとのことで、自然とそんな雰囲気の少年?少女を。
画像下よりご感想です。
オーダーイラストのご感想_f0228652_17331233.jpg

「カートコバーンのグランジな雰囲気を持ったこに、憧れのギタリスト使用のファイアーバードを持たせて欲しいとオーダーしました。
ギターや服装など細かく再現して頂いて、大好きなアーティストさんのコラボが実現して嬉しいです!
女の子の表情がイメージにピッタリでとても好きです。
一生の宝物になりました」


ありがとうございます!

オーダーはイラスト料金+額装代+郵送代でお受けしています。
気になる点はお問い合わせくださいませませ。






# by loopmark1210 | 2020-11-23 17:32 | 日常記 | Trackback | Comments(0)
古着のトレーナーを買った。
古着のトレーナーを買った。

「スウェットって言うらしいよ」と友が言ったが、いいのだ、これはトレーナー。
樋口一葉一枚でトレーナー二枚、コーヒーが飲めるほどのお釣り
うむ、なかなか良い買い物をした。

冬場の静電気がひどくて、化繊をめっきり着なくなった。そして、寒暖差に弱いので、この頃は起毛のものが恋しくなった。

そこで、古着のトレーナーである。

この頃の市販のトレーナーは(トレーナーに限ったことではないが)、ほぼ確実に化繊が混じっている。また、綿100と謳ってる手頃なものは頼りないほどに薄い。
もう以前のように厚手の綿ものが作れる時代ではない。それに気づいてからもっぱら古着を買うようになった。

古着を着ている、とかいうとどこかお洒落に感じるが、否、あくまでもただ綿クエストの結果である。
ストリート系? なんだそれは。



思えば小学校の頃、みんなトレーナーを着ていたのだ。
今のような「子どものお洒落」という概念は一切なく、わたしたちみんな冬はトレーナー、夏はデカめのTシャツを男女関係なく卒業するまで着せられた気がする。
性差がないという意味で、とても平和な時代でもあった。

肌なじみの良いお気に入りのカラシ色のトレーナーには、koshino junko というロゴが書いてあった。
友達のトレーナーには、koshino hirokoとあった。
なんなのかさっぱりわからない謎の共通項。

これコシノって読むらしいぞ、お前ら姉妹だなー!

と笑われたりして、なんのこっちゃと思いもしたが、のちに実際リアルコシノ姉妹を知ったときはその強烈なインパクトに驚いた。
コシノトレーナーには必ず「since」と入っていて、koshino と since という二つの単語は、以降、街で見つけたりすると異様な愛着を感じる奇妙な単語となった(みうらじゅん的なものもある)。


たまにネットでも、「お、ちょっとこれいいな」と思ってトレーナーを買ってみたりする。
届いて、重くてちょっとがっかりする。
なんでもそうだか愛着を持って着続けられるかどうかは、重さもかなり大事である。

昨日買ったトレーナーは
起毛で、軽く、丁寧に使い古された綿のやわらかさ、たたんだときのゆるやかさ、なにより暖かさ、
すべて上位得点をつけられるものではないだろうか。

うむ、やはり良い買い物をした。

わたしはさっそくほふほふと袖に腕を通す。
暖かさがじんわり効いてきた満足で、冷凍の今川焼きをレンジでチンする。


ぬくぬくのトレーナー
ぬくぬくのおやき
ぬくぬくのほうじ茶


あの頃と同じ
ああ、のすたるじーなるかな
冬である。

古着のトレーナーを買った。_f0228652_17373283.jpg
相変わらず、ロゴの意味はわからないで買う。
sinceがないのだけが残念。




# by loopmark1210 | 2020-11-17 17:15 | 日常記 | Trackback | Comments(0)