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安部公房「燃え尽きた地図」
安部公房の「燃え尽きた地図」がとっても面白かった。
というのも奇妙な話で、実際読んでる時は「いつ終わるんだこれーいつ終わるのー全然わからないのだがー」と飽き飽きしていたはずなのに、
読み終わった途端に、なにかオブラートのような薄い膜の貼られた大きな「絵」が勝手に脳内に完成して、
「このとんでもない感じはなんなんだろう」と、すぐに再読、
その絵の読み解きを始めたくなったのだった。

安部公房は、そういうところがある作家なのかもしれない。
「砂の女」は読みやすくてとても面白かったけど、「燃え尽きた地図」も、「他人の顔」も「水中都市」等も、進み方は全く親切ではない。
読み手が試されている感じがあって、コンチクショー!と意地でもついて行き、
読み終えたものだけに、「じゃあ、全風景を見せてやるよ」という褒美をくれる、ただし正解は絶対言わない、そんな気がしてならない。
読み手に半分委ねられている、とも言える。


「燃え尽きた地図」に関しては、あまりに奇妙な感覚が抜けなかったので、段落ごとに事象を白い紙に時系列で書き出した。
これではっきり驚いたことがある。
ええと、驚いた内容は書かないでおきます。

ネット上にどなたかが書いた論文(卒論?)がPDFであるのだけど、それと合わせて読むとすごく面白い。
小説ってこんなこともできるのかー!と嫉妬すらする。


小説を読んで、さらに自ら紙に書き出して謎解きをする(明確な答えは全く出ないのだが)。
この読書体験はかなり新鮮だった。
でも、これ現代作家でできるのかな、巨星・安部公房ゆえ、という気もするし、まず時間がないとできないとも思う。

そして、やっぱりわたしは謎解きのあるものが好きなのだ。
直球ストレートなものはあんまり、
という偏屈な自分、
嫌いではない。

安部公房「燃え尽きた地図」_f0228652_19194065.jpg

おばあちゃんの書棚から借りてきた。
レザックに孔版刷り。

来週、東京の企画展に参加します。
よろしくお願い申し上げます。

寺山修司記念館特別企画展 in Tokyo 

「イラストレーターが挑む寺山修司の言葉」Bunkamura Box Gallery | 東京都


↑コピペしたら変なところが太字になってしまった。





by loopmark1210 | 2020-10-06 18:14 | 日常記
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