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亡くなった祖母のこと
祖母が亡くなった。
不思議なことに、病院に駆けつけたし、葬儀もしたのに、
亡くなったという実感がない。

いまも作業していて
「この感じで行くと、いつ弘前(祖母の見舞い)に行けるかな」
と無意識に計算していて、ハッとした。

祖母は小説家であり、青森の地域文化に祖母なりに尽力した人だった。
小説家のキャリアでいうと、第56回の芥川賞の候補になっている。
受賞には至ってはいない。

唯一、三島由紀夫が推してくれたんだよ、パーティーで話をしたんだよ
瀬戸内寂聴を弘前案内したのはわたしだよ

と、にっこり笑って、
生前祖母は言っていたが、
わたしははいはい、と聞きながら
「でも、芥川賞取らなきゃ意味がないじゃないか」と冷たく思っていた。

祖母は小説家を「諦めた」人間なのだ。
自分は自身の活動において、そうはなるまい、そうとも思った。

でも、二年ほど前、それが全く違うと気づく出来事があった。
それは割愛するけれど、
そのとき、祖母は心から「本」という世界を、純粋に愛し、言葉を愛したのだと思った。

好きでい続けるということは
難しい。

かなり難しいことだと思うこともある。

祖母はなんでも読んだ。
月刊行の文学誌はもちろん、海外ミステリー、宗教学、又吉さんの火花も早々に読んだし、
宇宙学の本も読んでいた。
本の種類に差別をすることはなかった。

博学というわけでは決してない。
宇宙学だって、きっとほとんどはわからなかったんじゃないか。
ただ想いを馳せる才能が、なによりあったのだと思う。
そうして、
ベッドに横たわりながら、
祖母はどこでも行けたのだ。

宇宙にだって、飛んでいたのだ。

祖母は決して褒められる人ではなかった。
ダメなところも未成熟な面もたくさんあって、面倒な妹がもう一人いるようだと感じることも度々あった。

その分、本を愛する才能が誰よりあったのだろうと思う。


家族を見送るのは辛い。
20代前半で祖父と母を見送った。

少し年上の友達は
子どもがたくさんいて、ご両親もご健在。ばかりか、祖父母、ひいおばあさんまでご健在という。

見送ったことがないということは
どんな気持ちなんだろう。
少し皮肉を込めて思ってみる。

母とお出かけしている友達のSNSの投稿を見るたび、辛くなることも多かった。

でも、絵の活動を始めたのは
母の死がきっかけだった。
母が、個展を開いてね、と呪文をかけたからだった。


見送るからこそ気づくことが
絶対ある。
意地レベルでも言い切る。
言い切らなきゃいけない。

見送っただけ、つなげていかねばならないことが
きっとある

それがなんなのか
これからの時間をかけて
熟考していきたいと思います。


戦時中、本がなくて、
作り話を披露したところ、友人がとても喜んでくれたのが
祖母が話を作るのが好きになったきっかけだという。


本の扉を開けて
タイムリーパーみたいに
いろんな次元の世界を
自由に見て回ってください。


いつも東京に行く前には心細くて
祖母に会いに行った。
負けるなと言ってくれた。

自分たちは我慢しなければならなかった世代だから
あなたたちは好きなことをしなさい
そう言ってくれた。

ありがとう。
頑張ります。


かなり私的な日記ですが、ケジメとして、あえて記させてください。


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by loopmark1210 | 2018-07-18 17:34 | 日常記
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