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北上市へ~寺山修司歌碑編~
はじめに、お知らせ。
ブログのタイトルを「イラストレーションブログ」から「LoopDays」に改名しました。

思えば、わたしは文章を書くのも、描くこと同様に好きなのでした。
イラストレーションブログ、と括ると、作品が完成しないうち書けない気がして。
なんてことない日常も綴ってまいります。

さて、前回の続き。

北上市へは、盛岡で活動されている大好きなホームスパン作家さんがイベントをやられると聞いて、行こうと決めたのでした。

北上市行くんです、
とT女史に言うと

「あれ、北上市に寺山修司の歌碑ありましたよね、確か」

うそ!と思い、記念館のカタログを捲る。
ほんとだ。

「また呼ばれましたね」とT女史にっこり。

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盛岡で古民家を利用した民芸屋「necco」さんに寄り(とても素敵でした)、北上市のホテルへ。
勧送迎会か受験か、盛岡市のホテルはいっぱいで、予約が取れなかったのです。

翌朝、「では歌碑へ」と地図を見ると、なんとホテルのすぐ近く。
北上市役所裏、橋本児童公園内。
北上市へ~寺山修司歌碑編~_f0228652_232137.jpg
なぜ寺山修司の歌碑が北上市に?
とまず疑問。

どうやら当時碑の近くにあった寿座での「書を捨てよ町へ出よう」の公演の際に、挑発的な寺山修司と市民観覧者との間で、なかなかハードなやり取りがあったらしい。

発煙筒を投げたとか。
でも寺山修司は意図的だったのかも?と思ったり。
北上市へ~寺山修司歌碑編~_f0228652_23212016.jpg
公園の隅に、静かに歌碑がありました。雪で半分埋まっているものの、球体の並ぶ立派な碑。
北上市へ~寺山修司歌碑編~_f0228652_23213745.jpg
粟津潔氏デザイン。記念館もこの方の手によるものです。厚い厚い友情によるものなんだろう。
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百年たったら帰っておいで。
百年たったらその意味わかる。

寺山修司の字体。
小学生の頃からこの字体だったらしいです。友達に「将来有名になったときのために」と話していたとか。(短歌会での先生の講演より。変な子だ~)

三沢市の記念館の文学碑は、立派な明朝体で書かれています。本当は、寺山の字体で作りたかったがうまく行かなかったそうです。

記念館の横にある歴史民俗資料館に、寺山の父の直筆の論文が展示されています。
じっくりそこを眺めながら、気付いたこと。

父のサインと、寺山のサインの字体がそっくりだということ。


寺山が原稿用紙に書き付ける字は、丸いというか、潰れたまんじゅうのようで可愛らしい。
サインやかっこつける書の類のときだけ、あの味のある字体になる。恐らく。

歴史民俗資料館に、父の字を見つけたとき、なんだか切なかったのです。
仕事で、寺山修司の顔を描いて気づいたことは、修司の骨格は驚くほど母譲りのように感じられたこと。

そんな面影から、唯一字だけは、父へと逃げたかったのでは・・・

それをふっと、歌碑の前で思い出し、再び切なくなりました。。



しばらくして、わたしの後ろで夫が言った。

「ジャングルジムで遊んでる子どもたちが、さっきからさちこのこと怪しそうに見てるよ」


はい、すっかり気づいていましたよ!
北上市へ~寺山修司歌碑編~_f0228652_22372961.jpg



北上記は続きます。
by loopmark1210 | 2012-03-06 22:40 | 旅の記録
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